ラスタライズ処理がされていないと、印刷時にエラーが発生する!?
印刷トラブルの原因の解決!今回はラスタライズについて解説します。
いつも「大判プリントの達人」をご利用いただき、ありがとうございます。
「データ制作頑張った!注文も入稿も完了したし、あとは完成を待つだけ!」と思ったら、
データ入稿先の印刷会社からこのような連絡が来たことはありませんか?
「データをラスタライズしていただき、再入稿をお願いいたします。」
弊社でもお客様にこのようなご案内をお送りすることが多いように感じます。
今回のブログでは、「ラスタライズってなんのこと?」
「どんなデータだとラスタライズが必要なの?」という疑問を解消するため、
illustratorのラスタライズについてご紹介いたします!
このブログので分かる事
- ラスタライズについて
- ラスタライズが必要なデータについて
- ラスタライズの方法
ラスタライズとは?メリット・デメリット
パスの多い複雑なデータや効果を使用されている「ベクターデータ」を
小さなドットの集まりである「ラスターデータ」へ変換する処理です。
ラスタライズを行うことで、データが最適化され印刷時のトラブルを防止することができます。
▼ラスター形式とベクター形式の違い
形式 | ベクター形式 | ラスター形式 |
表現 | 点や線、色などを 数値データとして記憶し再現 | 小さな四角いドットの集まりで表現 |
主な採用ソフト | イラストレーター | フォトショップ |
メリット | ・画像を劣化させることなく拡大縮小が可能 ・単純な図形やイラストの場合は処理が早い | ・写真などの複雑な色構成をしているデータの表示が可能 |
デメリット | ・写真や複雑な画像などには不向き | ・解像度が上がるほど、点の数が増えデータの容量が大きくなる
・拡大すると画像の解像度が下がる |
ラスタライズをしないと文字やデザインが意図しない変形が起こるなど、印刷時に予期せぬ事故が起きる恐れがあります。
そのため印刷前には必ずラスタライズされているかのチェックが大切なのですね。
一方ラスタライズを行ってから拡大すると、解像度が下がってしまうため、
デザインが出来上がってから作業を行う方が安心です。
ラスタライズが必要なデータとは?
以下のようなデータは出力時の予期せぬ印刷エラーが発生する可能性があり、
「ラスタライズ(ラスターデータ化)」で画像化する処理が必要となります。
・Illustratorでパスの多い複雑なデータ
・透明効果、ドロップシャドウ、ぼかし等の効果が使用されているデータ
ラスタライズ忘れの多いデータ事例
ラスタライズの方法
続いて、イラストレーターのラスタライズのやり方をご紹介します!
1:対象のオブジェクトを選択
※デザイン全体をラスタライズする場合トンボ(トリムマーク)にカギをつけ、
トンボ以外のデザイン部分をすべて選択してください。
2:ラスタライズの設定を開く
「オブジェクト」→「ラスタライズ」⇒「設定」をクリックします。
※「効果」→「ラスタライズ」ではなく、必ず「オブジェクト」→「ラスタライズ」を選択してください!
「アピアランス(効果)」→「ラスタライズ」の場合バスデータのみがラスタライズされるため、
肝心の効果使用部分などはラスタライズされません。
3:ラスタライズの設定を行う
下記のように設定します。
【カラーモード】CMYK 【解像度】その他→150~250ppi ※高解像度過ぎるとデータが重くなり作業がしにくくなる可能性も。 ファイルデータは大きくても1GB以下になるように調整しましょう! 【背景】透明 【オプション】 ・アンチエイリアス:アートに最適(スーパーサンプリング) ・特色を保持:チェックなし ※「特色を保持」はなしにしてください。印刷時にはカラーモードCMYKでの印刷となり、特色は表現できません。 |
注意事項
ラスタライズの処理自体はそこまで難しいものではなさそうですね。
いざ実践!…その前に、ラスタライズの注意事項を確認しておきましょう。
注意すること
- オブジェクトは元に戻すことができない
- パスの形状や色、フォント等のオブジェクトの編集作業ができなくなる
- ラスタライズ後に拡大編集を行うと、印刷時に荒れる恐れがある
データ制作時のポイント
- 万が一に備えて、ラスタライズ前のデータは別名保存をしておく
- ラスタライズ前後で、見た目の変化が起こっていないかどうか確認する
まとめ
今回はラスタライズに関してご紹介しました。最後にブログの内容を簡単におさらいしましょう!
ラスタライズとは?
⇒複雑なデータを最適化しシンプルなデータにすること!
ラスタライズが必要なデータとは?
⇒パスの多い複雑なデータ・効果を使用しているデータなど
注意することは?
⇒ラスタライズする前に別名保存!ラスタライズ後もデザイン確認を忘れない!
こちらのブログがデータ制作時のお役に立てば幸いです。
データのお役立ち情報、まだまだあります!
・データ制作基本ガイド
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