いつも「大判プリントの達人」をご利用いただき、ありがとうございます。
入稿締切時間の【正午12時】までに完全データの入稿しなきゃ!!
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データの入稿完了!! 一安心 ୧( •̀ ө •́ 大)ホッ
と、思いきや、データ再入稿のお願いのメール受信!? ∑ ( ̄ ө  ̄;)
「テキストがアウトライン化されておりませんでした。アウトライン化をお願いします。」
こんな悲劇に見舞われたこと、ありませんか?
実際弊社でもお客様に再入稿依頼としてアウトライン化をお願いすることが
1日に少なくとも5回はございます。
今回は、意外につまづきやすい「テキストのアウトライン化」について解説いたします!
アウトライン化するときに使えるショートカットキーもご紹介します。
アウトラインとは?
アウトラインとは、文字フォントが図形データとして認識されるようにする処理のことです。
印刷用データとして入稿するには、イラストレーターやPDFのテキストデータを図形化する必要があります。
図形化することにより、デザインの制作環境が異なるパソコンでデータを開いても、別のフォントに変換されたり文字化けが起こらなくなり、正しく文字が表示されます。
上記文字は、まだアウトライン化していないデータです。
デザイン制作環境では使用しているフォントが入っているため正常に文字が表示されますが、デザイン制作環境が異なるパソコンの場合・・・
指定したフォントが入っていない違うパソコンで開くと、このようにフォントが変わってしまう可能性があります!
フォントが変わってしまうとデザインの印象が大きく変わってしまうため、 見た目が変わらないよう「文字データ」を「図形データ」に変換する「アウトライン化」は大変重要な作業なんですね。
ちなみに、アウトライン化というのはイラストレーターとPDFの場合の名称で、フォトショップの場合は、「ラスタライズ化」といいます。
また、図形化ではなく画像化する形となります。
▼使用するソフトによる作業の違い▼
Illustrator | アウトライン化 | 図形化 |
Photoshop | ラスタライズ化 | 画像化 |
Word、PowerPoint → PDF | フォント埋め込み → アウトライン化 |
文字フォント → 図形化 |
Illustratorでのアウトライン化の方法
それではさっそく文字のアウトライン化の方法をご紹介いたします。
1.全てのロックを解除する。
ドキュメント上の全てのオブジェクトを選択できるように
[レイヤー]と[オブジェクト]のロックを解除します。
[レイヤー]の「ロック解除」
🔏鍵マークをクリックし、ロックを外します。
[オブジェクト]の「ロック解除」
[オブジェクト]の中の「すべてをロック解除」をクリック。
※ロックされているオブジェクトが無い場合は選択出来ないようになっています。
2.ファイル内のテキストオブジェクトをすべて選択
漏れなく一発で全てのテキストをアウトライン化するために、テキストオブジェクトをすべて選択します。
[選択]> 「すべてを選択」で全部のオブジェクトを選択。
⭐️ショートカットキー
・Windows→Ctrl+A
・Mac→Command+A
※テキスト以外も選択されますが、アウトラインはテキストのみに実行されるのでご安心ください!
3.アウトライン化を実行
全てのテキストが選択されている状態で、アウトライン化を実行します。
[書式]> 「アウトラインを作成」を実行
⭐️ショートカットキー
・Windows→Ctrl+Shift+O
・Mac→Command+Shift+O
アウトライン化の完了です!
4.漏れがないか確認
最後に、問題なくすべてのテキストにアウトラインがかけられているか確認します。
[書式]> 「フォント検索」メニューを実行
ファイル内に使用されているフォントを確認。
フォント検索の赤枠内に何も出なければ、アウトライン化の完了です!
以下のように赤枠内にフォント名が表示されてしまったら、アウトライン化できていない文字があります。
❓「レイヤーのロックが解除」されているか
❓「オブジェクトのロックが解除」されているか
2点を確認していただき、再度アウトライン化の作業をお願いします!
まとめ
- 全てのロックが解除されていることを確認
- 漏れないよう、全てのテキストを選択
- アウトライン化が完了しても、気を抜かず必ず再確認!
▼以下のショートカットキーも覚えておくと作業がスムーズになりますよ!
作業内容 | Windows | Mac |
テキストオブジェクトの全選択 | Ctrl+A | Command+A |
アウトライン化実行 | Ctrl+Shift+O | Command+Shift+O |
万が一アウトラインしてしまった!そんな時は
Windowsの場合は「Ctrl + Z」、Macの場合は「command + Z」で1つ前の作業に戻すことができます!
反対に「Ctrl + Y」「command + Shift+Z」で実行した操作をやり直しも可能です。
突発的な作業の戻す・やり直す作業にショートカットを活用しましょう!
Microsoft Office、PDFの場合は文字の埋め込み
Microsoft WordやExcelでデータを制作頂き、PDFに変換して入稿する場合も、
フォントの埋め込みをしていただき文字化けを防ぐ必要があります。
PDFに変換する前に以下の手順で埋め込みをしましょう!
1.officeのデータを開きPDF変換する準備をする
[ファイル]をクリックし、「オプションボタン」をクリック。
2.必要項目にチェックを入れる
『保存』タブの以下2項目にチェックを付ける。
☑ ファイルにフォントを埋め込む
☑ 使用されている文字だけを埋め込む
OKをクリックして埋め込みが完了します!
埋め込みが正しく行われているか入稿前には確認をお願いします。
PDFに変換後に、Acrobatで開き、確認していきます。
3.完成したPDFデータを、Adobe Acrobat Reader で開く。
『ファイル』から『文書のプロパティ』をクリック。
4.『フォント』タブを開いて埋め込みを確認。
フォントの名前の横に『埋め込みサブセット』と表記があればOK!
まとめ
- office系ソフトでデータ制作するときもフォントの埋め込みを忘れずに
- PDFデータに変換後、埋め込みができているか必ず確認
Photoshopで文字をアウトライン化(ラスタライズ)する方法
最後にフォトショップで文字に「ラスタライズ」をかける方法をご紹介します!
パソコンで扱う画像の形式として、ラスターデータというものがあります。
ラスターデータとは、ピクセル・ドット等「点」で形成された画像形式のことです。
Photoshopで文字テキストをラスターデータにすることを『ラスタライズ化』といいます。
ラスタライズ化をするとフォントの編集ができなくなってしまいますので、注意が必要です!
それでは、ラスタライズ化を行っていきましょう。
1.メニューを表示
ラスタライズする必要のあるテキストレイヤーを選択、右クリックしメニューを表示する
2.「テキストをラスタライズ」を選択
「テキストをラスタライズ」を選択すると文字のラスタライズ化が完了です!
とっても簡単ですね!!
裏技:ラスタライズ化せずとも文字化けが防げる?
Photoshopでのラスタライズ化ですが、実はレイヤーを統合していただければ
ラスタライズ化しなくとも、文字化けが防げます!
ただ、レイヤーを統合してしまいますと、その後データを触ることが難しくなってしまうため注意してください。
アウトライン化のポイントまとめ
- テキストレイヤーを漏れなく選択
- フォトショップデータの場合「ラスタライズ化」
- レイヤー統合するときは最終チェック必須
Photoshopソフトでの効果等のラスタライズ化については、
「ラスタライズって何?やり方・注意点を解説!」ブログで解説しています。
ぜひご覧ください!
アウトライン化をする上での注意点
一度フォントをアウトライン化をしてしまうと、文章を変えたいな…と思ったときに編集ができなくなってしまいます。
そのため、印刷データはアウトライン前のデータとアウトライン後のデータを別名で保存しておくことが大切です!
その際の、フォルダ名も誰が見てもわかるようにしておくとよりわかりやすいです!
変換前 「obanprint_01.ai」
↓
変換後 「obanprint_01-ol.ai」(out lineの略で「ol」)
まとめ
アウトライン化の方法はいかがでしたか?
慣れてしまえば簡単かな!と感じていただけたかなと思います。
簡単な作業ではありますが、アウトライン化の見落としでほしい日にポスターやパネルなどの印刷物が届かない・・・!
なんてことが起こらないよう、データ制作の最後に必ずアウトライン化が出来ているかセルフチェックをしましょう!
印刷データには、アウトライン化以外にも様々なチェック項目があります。
入稿先の印刷所によって基準が異なりますが、弊社ではいくつかデータ制作ガイドもご用意しておりますので、
制作する商品のデータ基準に合わせてぜひご活用くださいませ。