半光沢紙を知ろう!耐久性も検証してみた

ポスター

こんにちは、大判プリントの達人です。

以前「厚手マット紙について知ろう!」というブログで厚手マット紙についてご紹介しました。
今回は前回の厚手マットに続き、ポスター印刷用紙の定番の一つである半光沢紙の解説をしていきたいと思います。

半光沢紙とは何?

半光沢紙は文字通り、光沢紙よりもツヤ感が少し抑えられている用紙の種類のことを指します。

用紙の表面は特殊なコーティングが施されおり、触るとツルツルとした質感です。
街中で目にするポスターや、パンフレットや雑誌の表紙等でも使われており、
大判プリントの達人では主に、ポスター印刷パネル印刷等身大パネル印刷で使用しています。

半光沢紙は、厚手マット紙と比較するとツヤがあるため高級感が感じられます。また、光沢紙よりも光の反射やツヤ感が控えめで印刷したデザインが見やすいのが特徴です。
「半光沢紙は厚手マット紙と光沢紙の中間な存在」とイメージすると覚えやすいです!

半光沢紙はある程度の光沢感があるため、落ち着いたデザインや品を出したいとき、
大きい文字・少ない情報量でインパクトを出したデザイン等、シンプルなデザインへの使用がおすすめです。

▼過去にご紹介した厚手マット紙についてのブログは、以下からお読みいただけます。

比較してみよう

厚手マットをご紹介したブログ記事と同様に、今回も「大判番長」を出力してみました。

大判プリントの達人の公式キャラクター「番長」

まずは、半光沢紙に出力したものを直接照明が当たらないところで見ていきましょう。

左が元のデータ、右が出力後です。

データよりも全体的にトーンダウン気味に出力されているのが分かるでしょうか。
比較すると若干濃いめに感じますが全体的に綺麗に印刷されました。

半光沢紙は厚手マット紙に比べ、印刷時にインクを吸いすぎない傾向があります。
そのため、黒ベタなど濃い色のデザインに使用してもメディア(用紙)自体が波打ちしづらく、色移りの心配も少ないといった特徴があります。

次に、照明が上から当たっている状態で撮影してみました。

照明が足元と右側に反射し白飛びしてしまっていますが、ぼやっと控えめな反射でデザインが全く見えないほどのギラついた飛び方ではありません。

肉眼で見ると、カメラ越しで撮影した写真ほど白飛びして見えませんでした。
照明の種類に左右されますが、半光沢紙はツルツルな光沢紙よりも比較的見やすいメディアになります。
※照明を直接、長期間当てるのは退色の原因にもなるのでお気を付けください。

半光沢紙の耐久性

半光沢紙も紙には代わりありません。水や傷等はできるだけ避ける等の取り扱いには注意が必要です。

では、実際にどのくらいの耐久性があるのでしょうか?
半光沢紙の傷と水に対する耐久性を調べてみました。

傷をつけたらどうなる?

ペンのキャップで黒い部分と青い部分をこすってみました(画像左)。表面が少し硬いため強めに傷をつけています。

光の当たり方次第でやや見えなかったりしますが、擦れた跡がついています。
先端が鋭利な物でも傷をつけてみたところ(画像右)、インクが削れ表面に窪みができてしまいました。ペンのキャップでつけた傷と比べると一目瞭然ですね。

傷をつけた後に光を直接当ててみました。傷はどのように見えるのでしょうか。

傷の見え方は光の当たり具合で変化が見られ、直接光が当たらなければ傷の大きさによって目立たない部分もありました。

水で濡らしてみたらどうなる?

次に水に濡れてしまった場合の検証をしてみました。
画像左が水滴をかけた直後、右が5分後です。

水滴を飛ばし5分ほど放置してみたところ、用紙の表面に浸透しインクが滲み薄くなってしまいました。
水分が少量のためか、用紙自体への水の浸透や用紙の変形は今回の検証では発見できませんでした。

後日じゃばじゃばと水道から水をかけてみたところ(写真左)、表面のコーティングが水をはじいていました。
また、表裏に水をかけてしばらく置くと、紙の端から水がしみている部分が確認できました。

半光沢紙はある程度耐水性はありますが、濡れ具合や時間によっては用紙がたわんでしまったり、ふき取った際にボロボロになったりする恐れがあります。

そのため屋外では使用を避け、万が一水などがかかった場合はすぐに柔らかい布等で軽く押さえる程度に水気を取りましょう。

ラミネート加工の仕上がり比較

最後に、用紙の保護には欠かせないマットPPラミネートと、グロスPPラミネートで色味の変化、見え方を比べてみました。

グロスラミネートとの比較

左が半光沢、右がグロスPPです。
どちらも光沢感のある表面ですが反射のツヤ感にかなり違いがあります。
色味はラミネートをかけないものと比べ、若干濃く鮮やかに見える印象になりました。

マットラミネートとの比較

ラミネート加工後はマットな質感になるので照明の反射が抑えられましたが、色味が若干ぼやけ薄く感じられました。

最後に3つを並べて比較してみましょう。

左から半光沢紙のまま、グロスPP、マットPPです。
並べてみると違いが分かりやすいですね。

ラミネート加工は本来、用紙の保護が目的の加工方法です。
そのため、「用紙の種類にかかわらず、ラミネート加工を施すと紙特有の特徴が変わってしまうことがある」と覚えておきましょう!

ラミネート加工を施す際は、マット加工はイラストや落ち着いた雰囲気に、グロス加工は食べ物のシズル感や明るくpopな表現に使っていただくなど、用途に合わせて選んでいただくことをオススメします。

まとめ

今回は半光沢紙についてご紹介いたしました。

半光沢紙は、厚手マット紙に比べ高級感があり色移りの心配も少なく、光沢紙に比べ反射が少ないので見やすいといった、色味・質感ともにバランスのとれたメディアです。
前回ご紹介した厚手マットよりも違い出力時の色むらやのっぺり感がないので自然な風合いに見えるかと思います。

半光沢紙はある程度の光沢感があるため、大きい文字・少ない情報量でインパクトを出したデザイン等、シンプルなデザインへの使用がおすすめです。
もちろんバランスのとれているメディアなので様々なデザインでも違和感なく表現できます。

半光沢紙は光沢紙と比べて照明等の光の反射は抑えられますが、細かい文字が入ったデザインは提示場所によってはところどころ反射してしまい見えづらくなることもあります。
そういった場合はマットPPを選択するなど、使用シーンに合わせてラミネート加工もご利用ください。
使用期間、環境を考慮したうえでポスター用紙選びの参考になれば幸いです。

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