展示会、イベント出店などで、「パネルやポスター作りたいな…」と思ったときに壁の一つが「デザインデータ制作」ではないでしょうか。
- デザインのコツがわからない!
- とにかく簡単に見栄えの良いものを作りたい
- 難しいソフトは難易度が高そう、簡単に作りたい
そんな時に便利なデザインができる無料ツール「Canva」を使って、ポスターやパネル印刷用データを作ってみましたのでご紹介いたします!
Canvaとは
「Canva」は、無料で使えるオンライン上のグラフィックデザインツールです。
Webのオンライン上で編集でき、スマートフォン用のアプリ版も提供されています。
豊富なテンプレートが用意されているので、デザインの知識がなくても簡単に制作できるツールとして、近年大変注目されています!
Canvaの具体的な機能
- 写真や画像の動画編集や(トリミング、サイズ変更、明るさなどの調整)
- 文書や、プレゼンテーションの作成(テキストの追加、図形やイラスト、素材の挿入など)
- ホームページ、Webサイトページの作成
有料版では、利用できるテンプレートの数が増えるほか、背景除去といった高度な画像編集機能も使えるなど、さらに便利になります。
詳細はCanvaの公式サイトをご確認ください
https://www.canva.com/ja_jp/https://www.canva.com/ja_jp/learn/easytodesign/
今回は、Canvaを使用してPDF形式のデータで保存、印刷してみました!
Canvaでデザインを作成する
早速使ってみましょう!と言いたいところですが、
その前に、印刷を依頼しようと思っている印刷所がPDF入稿に対応しているか確認しましょう。
ご家庭の印刷機で印刷する場合はとばしていただいてOKです。
印刷所や商品がPDF入稿に対応しているか確認
印刷所や商品によっては対応する入稿形式が限られており、PDF形式の入稿が難しい場合があります。
「せっかくデータを作ったのに……」そんなことにならないよう、事前に確認しておくことをおすすめします。
大判プリントの達人では、商品ページの「印刷対応アプリケーション」欄に対応形式を表記しています。
それでは、実際にCanvaを使ってポスターやパネルのデータを作っていきましょう!
サイズを指定する
まずはCanvaにアクセスし、アカウントを作成しましょう
今回はパソコンのブラウザで作成していきますが、スマホアプリでも基本的には同じ流れで制作できます。
アカウントが作成できたら、まずは「デザインを作成」からサイズを選択します。
「ポスター」と検索すると、多くのサイズ候補が表示されます。
作りたいサイズが見つかった場合は、そのサイズを選択しましょう。
一般的なポスターサイズ
A3 | 297×420mm | B3 | 364×515mm |
A2 | 420×594mm | B2 | 515×728mm |
A1 | 594×841mm | B1 | 728×1030mm |
A0 | 841×1189mm | B0 | 1030×1456mm |
希望のサイズが見つからない・規格サイズピッタリではない(正方形など)場合は、「カスタムサイズ」から好みのサイズを指定できます。
デザイン制作前の準備
サイズを指定すると、真っ白なキャンバスが表示されます。
デザインを始める前に、「定規とガイド」と「塗り足し領域を表示する」の2つの設定を有効にしておくことをおすすめします。
定規とガイドとは
Microsoft Wordのルーラー機能をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
画面上部と左側に定規が表示されるため、寸法がわかりやすくなります。
※定規の機能は現状パソコンのみの機能です
塗り足し領域を表示するとは
いわゆる「塗り足し」を表示させる機能です。
端まで印刷する場合は、この余白の端までデザインを作成しましょう。
この画像はデータの左上の部分ですが、白いラインが仕上がり線(先ほど指定したサイズ)で、白線から外側が塗り足しの範囲です。
印刷や断裁をする際はどうしても生産時にずれが生じることがあります。ずれが起こった際に端に塗り足し領域がないと、印刷されていない白が端に出て見栄えが悪くなってしまいます。
端まで色やデザインがある場合は必ず塗り足しの端までデザインを伸ばして配置しましょう!
※Canvaの塗り足しは通常3mmのようです。商品によっては塗りたしのサイズが異なる場合があるため、もし印刷する商品の塗り足しが3mm以上の場合は、初めに指定する仕上がりサイズを調整して対応しましょう。
いざ、デザイン制作!
設定が完了したら、いよいよデザインを作っていきます。
今回は「夏祭り」のデザインを制作してみました。
Canvaには豊富なテンプレートがあるので、作りたいデザインの雰囲気に合ったものを選ぶとスムーズです。
画面上部の検索バーに「夏祭り」と入力してテンプレートを検索し、目的に合ったものを探していきます。
テンプレートは写真やテキストの編集などが可能です。テンプレートが決まったら作りたい内容に合わせてデザインを自由にカスタマイズしていきます。
今回は、このようなデザインを作成しました!
Canva内にあるうちわの素材や、大判プリントの達人公式キャラクターの「オオバン番長」を配置してみたり、テキストを追加・編集してみたりとCanvaだけで様々な編集が可能でした。
印刷データのダウンロード
デザインが完成したら、印刷所に入稿するためのデータをダウンロードします。
「共有」>「ダウンロード」の順に選択します。
ファイルの種類は「PDF(印刷)」を選びます。
そして、「トリムマークと塗り足し」と「PDFのフラット化」にチェックを入れます。
トリムマークとは
ポスターを指定のサイズにカットするときに必要なマークです。「トンボ」とも呼ばれます。
塗り足しとは
「塗り足し領域を表示するとは」の箇所でご紹介した仕上がりサイズよりも少し外側までデザインがはみ出た部分のことで、フチなしの印刷をする際に必ず必要です。
これら2つの設定がないと、ポスターを印刷したときにきれいな仕上がりにならない可能性があります。
PDFのフラット化とは
Canva内のヘルプ内に「PDFのフラット化」について以下のように説明がされていました。
CanvaでPDFをフラット化すると、フォントが正確に表示され、デザインが安全に保護されます。このプロセスにより、ファイルは静止画像に変換され、Adobe Acrobatなどのソフトウェアでの編集ができなくなります。結果として、PDFを印刷または表示するときにデザインの整合性を維持できます。
引用:フラット化したPDFとしてデザインをダウンロードする
フラット化することで印刷する際に適した状態になるということが分かります。「デザインの一部が消えたり位置がずれる」「フォントが変わる」などのエラーを防ぐことができそうです。
これら2点のチェックを入れないと意図しない仕上がりになる可能性があるため、必ずチェックを入れましょう!
最後に「ダウンロード」ボタンをクリックして、印刷用のデータを保存します。
入稿前の最終チェック
さあデータができたから、いざ印刷!と嬉しくなってしまいますが、
印刷前に必ずプレビューでデザインを確認することを強くおすすめします。
デザイン制作に夢中になると気が付きにくいのですが、落ち着いて改めてデザインを見ると
- 意図しないところにテキストなどが配置されている
- デザインがずれている、切れている
- レイヤーの上下が逆になっている
- 誤字がある
などなど、印刷した後に発覚するととても残念な気持ちになってしまいますし、印刷し直しによる時間・手間や費用もかかってしまいます。
また、作っていたサイズが違った!ということもよくありますので、入稿前にサイズ確認も忘れずにおこないましょう。
実際に印刷してみた!
さて、今回作ったデータを使って、実際にポスターを出力してみました。
左:画面で見たデータ 右:印刷物(厚手マット紙)
ポスターの仕様
用紙 | 厚手マット |
印刷方法 | 水性インクジェット印刷 |
サイズ | A2 |
全体的に発色が若干薄く、くすんだ印象になりました。特に背景の紺色の違いが分かりやすいですね。
用紙や印刷方法によっても発色は変わりますので、色についてはあくまで参考にしていただければと思います。
アップで仕上がりも見てみます。粗さはどうでしょうか。
極端に粗くなっている部分は見当たらず、きれいに印刷ができています。
拡大すると粗くなることもあるため、今回のようにA2サイズの実寸サイズで制作したことが重要だったなと感じました。
また、右下に3.5センチ程度のQRコードも配置してみましたが、
こちらも問題なく読み取ることができました!
まとめ
いかがでしたか?
今回はCanvaを使って、四角形仕上がりのポスターやパネルのデータを作ってみました。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう!
- サイズは初めに指定する
- 制作画面では余白と定規を設定する
- 保存の際はPDF(印刷)を選ぶ
- トリムマークと塗り足し、PDFのフラット化にチェックを入れて保存する
Canvaを使用すれば、誰でも簡単にポスターやパネルの印刷データを制作することができます。
このブログ記事を参考に、Canvaを使ってオリジナルのデザインを作成してみてください。
大判プリントの達人では、四角形仕上がりのポスター印刷や展示パネル印刷などの商品が今回ご紹介した方法で制作・入稿できます。
ぜひチャレンジしてみてください!
※ブログ記事の公開以降、Canvaサービスの仕様が変更となる場合があります。予めご了承ください。