いつも「大判プリントの達人」をご利用いただき、ありがとうございます。
突然ですが、データ入稿先の印刷会社からこのような連絡が来たことが有りますか?
「リンク切れでしたので、再入稿お願いいたします。」
「画像を埋め込んで頂き、再入稿お願いいたします。」
データをご入稿頂いたお客様と、弊社データチェックの担当との間を取り持つ中で、
私自身も、このような連絡をさせて頂くことが多いように感じます。
ですが、実際には「よく分からない」「どうすれば良いの?」というお声を頂く事が多いのが現状です…
そうですよね、私も最初は「ナンノコトデスカ?」状態でした。
そんなお客様に必見!
今回のブログではillustrator(イラストレータ)でのリンク、埋め込みについてご紹介いたします。
「リンク配置」と「埋め込み配置」の違い
さっそくですが、まず最初に、Illustratorで画像を貼り付ける方法は「リンク配置」と「埋め込み配置」の2種類あることをご存知でしょうか?
「リンク」というのは、あくまでプレビューで、実際にそこには画像そのものがありません。
反対に「埋め込み」は、実際にそこに画像そのものが埋め込まれている配置方法です。
画像のリンク配置ってなに?
画像のリンク配置とは、配置したい画像を別のアプリケーションで作成し、
「illustrator」上には画像のプレビューとして表示する方法です。
画像の埋め込み配置ってなに?
埋め込み配置とは、「Illustrator」自身に画像の情報を直接持たせて表示させる配置方法です。
なんとなく「リンク配置」と「埋め込み配置」の違いが理解できたでしょうか。
続いて、それぞれの配置方法のメリットデメリットを解説します!
リンク配置・埋め込み配置のメリット・デメリット
リンク配置のメリット・デメリット
メリット
作業がスムーズ!
リンク配置された画像の情報は「リンク先」にあるので
画像の情報は外部にある状態なので、illustratorファイルのサイズ自体が軽くなります。
リンク画像の変更もラクラク!
リンクされている元画像を更新すれば、イラレにその変更を反映させるかの選択が可能!
例えば、
イラレに配置した元画像を「Photoshop」などで編集して、画像を変更した時に、リンクを更新するだけで即座に反映されます。
デメリット
入稿するデータが多くなる
データを入稿する際は、Illustratorのデータとリンクされている画像データを同じフォルダに入れ、まとめて印刷所へ送る必要があります。
エラーの原因になる
リンク先の画像のファイル名やデータの置いている場所を変更したり、入稿時に画像データを送り忘れると
「リンク先の画像が見つかりません」とエラーが出ます。
これが、いわゆる「リンク切れ」「リンクエラー」です。
リンク切れが発生した場合、入稿先の画面に、下のような警告が出てきます。
リンク切れが起こっていると、入稿先のイラレデータでは本来あるべき画像が表示されません。
リンク切れの修正方法がはこちらでご紹介します!
埋め込み配置のメリット・デメリット
メリット
画像のファイル管理がラク!
画像の情報がIllustrator内にあるので、その分ファイルサイズは大きくなりますが、他のファイルに依存しない為ファイルの管理が楽になります。
\つまり、リンクエラーが起きない!/
デメリット
リンク画像の変更はひと手間掛かる・・・
画像そのものををillustrator内に埋め込んでいる状態なので
画像をPhotoshopなどで編集・加工し直した場合、再度一からIllustrator上に配置し直さなければなりません。
作業スピードがダウン
illustrator内に埋め込むことにより、データ自体のサイズが重くなり、
作業スピードが遅くなってしまう可能性があります。
リンク配置と埋め込みの違いまとめ
リンク配置 | 埋め込み | |
---|---|---|
メリット | ・データが軽い ・画像の差し替えが簡単 |
・入稿はIllustratorのデータのみでOK ・リンク切れの心配なし |
デメリット | ・リンク画像も一緒に入稿が必要 ・操作ミスでリンク切れの恐れがある |
・画像サイズ・数量によってデータが重くなる ・画像の差し替え後は再埋め込みが必要 |
それでは、実際にIllustratorで画像を配置する方法をご紹介していきます!
illustratorで画像を「埋め込み配置」する方法と「リンク配置」する方法
1.データ作成後、Illustratorのメニューの「ファイル」から「配置」を選ぶ。
デザインに配置する画像を選択します。
2.左下にある「リンク」というチェックボックスを確認する。
ここにチェックを「入れる」と、illustratorに画像が「リンク配置」され、
逆にチェックを「外す」と、illustratorに画像が「埋め込み」されます。
作業自体はとても簡単ですね。
なんで「リンク切れ」が起きるの?
作業は難しくない作業ですが、「リンク切れ」は再入稿を依頼する際珍しくない項目です。
なぜリンク切れが億てしまうのでしょうか?
リンク切れが起きるのは、illustrator上のリンク情報が残った状態で、下記の作業をしてしまったケースが多いです。
- 入稿時、必要な画像を同梱し忘れた
- 画像のファイル名やフォルダ名を変更して、リンク切れになった
- 不要な画像ファイルをフォルダ内から移動させた(または削除した)
- 入稿時にデータ名が文字化けしてしまい、入稿崎ではリンクエラーになる
入稿用にデータを整理した際、うっかり・・というパターンが多いようです。
再入稿にならないよう、入稿前にはしっかり確認することが大切ですね。
では、次に「リンク切れ」の解決方法をご紹介します!
リンク切れの修正方法
基本的には、最初に下記の2パターンどちらかの作業をすることで、リンク切れの解消ができます。
パターン1:画像を埋め込む!
リンク切れの画像が複数あり、データ自体が軽いときはこちらがオススメ!
1:「ウインドウ」メニュー ⇒「リンク」でリンクパレットを開く。
2:リンクパレットの右上の表示ボタンをクリック。
パレットメニューの「画像を埋め込み」を選択する。
埋め込みたい画像を選択すると、リンクパレットの中の該当ファイルの部分に色がつきます。
※複数の画像を選択することも可能!
埋め込みの処理が終わると、以下のようにファイル形式:(リンクファイル)の部分が
(埋め込みファイル)に変わります!
使用する全ての画像にこの表示されれば、埋め込みは完了です。
パターン2:リンク切れの画像ファイルを、illustratorの入ったフォルダに入れる
リンク切れの画像が少なく、データ自体が重いときはこちらがオススメ!
入稿用のフォルダ(aiデータがあるフォルダ)にリンク画像もまとめていれて圧縮保存し、圧縮したデータのまま入稿するだけ。
配置したい画像が多い場合は、埋め込み配置だとデータが重たくなりますのでこちらの方がオススメです。
こんな時はどうする?
入稿時、必要な画像を同梱し忘れた
⇒ リンク切れの画像ファイルをillustratorの入ったフォルダに入れる。
画像のファイル名やフォルダ名を変更して、全てリンク切れになった
⇒ リンクさせる画像のデータ名を、リンク配置した時と同じ名前で保存する。
不要な画像ファイルをフォルダ内から移動させた(または削除した)
⇒Illustrator上にある不要な画像も全て削除して再入稿。
入稿時にデータ名が文字化けしてしまい、入稿先ではリンクエラーになる。
⇒ データ名を半角英数字のみの名前に変更する。
文字化消する文字は使わない。
日本語・全角英数字・半角カタカナ・記号・スペース・絵文字は文字化けする可能性が高いです!
文字化けを避けたい場合は、入稿データを含めた、全ての入稿に必要なデータの名前を半角英数字のみにする事をオススメします!!
リンク配置の注意点 入稿前チェック
⚡リンク画像名が、Illustratorに配置した名前と一致しているかどうか確認!
ファイル名を変更したときに注意が必要です。
⚡データ名が半角英数字のみになっているか確認!
半角英数字以外のもじが使用されている場合、WindowsとMac間で文字化けがおこる場合があります。
文字化けが起きないリンク名をご使用ください。
文字化けが起きないリンク名:アルファベットや数字、「①」や記号はNGです。
⚡いらない画像は、Illustrator上の情報自体を削除してください。
フォルダ上の画像削除のみだと、Illustrator上ではリンクされた状態になり、開いた際にエラーの警告が出ます。
また、不要なデータは印刷時の予期せぬエラーが起きる可能性がありますので必ず削除してからデータを入稿しましょう。
まとめ
いかがでしたか?リンク配置と埋め込み配置の違いが分かっていただけたかと思います、
使用したい画像が少なく、軽い場合は埋め込み配置
使用したい画像が多いく、データが重い時はリンク配置
このように覚えて、入稿前の確認をお忘れなく入稿していただけると、綺麗なデータを入稿でき気持ちよく、一発でチェック完了になるかもしれません!
リンク配置 ⇒ ⚡注意点確認 ⇒ 最後にデザインデータを全て埋め込む
軽いデータであればこちらのような流れがおすすめです。
今回は、データ不備の中でも上位を争う「リンク切れ」についてご紹介させて頂きました。
参考になれば幸いです。
今後も、お客様がデータ入稿をスムーズにできるようこのような記事を書いていこうと思います。
知りたいこと、ご要望があれば是非お問合せください。
ご不明点等も、お聞かせ下さいませ。
最後までお読み頂き、有難うございました。